スーザン・ケインさんが来日されました。ベストセラー「Quiet」、彼女はTEDにも出場しました。「内向型」のブームがアメリカに起き、これからはそういう人の時代だというのですが、そこの内向型の代表として、バラク・オバマ、ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグ、ウォーレン・バフェット氏などをあげているのです。
ミッシェル夫人は外交型で、オバマ大統領と混成型カップルで最適とか。人見知りや関係づくりに慎重なのが内向的人間、introvertedというらしいのです。
外交型が理想となったのは、20世紀の大量消費型社会、セールスマンに代表される社交的で口のうまい人間や、カリスマ個人の台頭による、とあります。ちなみに、日本は内向型の人間には天国だそうです。
視点をまずアメリカのように、アグレッシブを国是とするような国では、少しそうでないものが出ると新発見みたいになりますが、日本などではすでに当たり前というものが多く、なのに日本人はありがたがってセミナーや本に殺到するのです。国外から持ち込まれるものに盲目な私たちを、もうそろそろ反省すること。
こういう二分法は、結果として何も言っていないのです。本人に悪気のないことも多いのですが、「私は劣った○○型だった。しかし、これまですぐれていた××型に変わるときがきた。○○型よ、今こそ私たちの時代だ。だから、そのままのあなたでいい」という慰みにしかならない自己啓発セミナーの類いと同じようなものです。
壇上でスピーチするスーザンさんは、これ以上ないほどアグレッシブなのです。私は、こういう世界に長くいるので、人前で歌っている歌手や芸人の多くが内向的なのを知っています。それでも、舞台で外交的であり得るのです。本人がどう思おうと、人前で歌ったり演じたりする人はアグレッシブこの上ないのです。
古来より、アグレッシブな人が時代を動かしてきたのであり、また、その上の本当のボスは、内向的で心穏やかな人が多かったのです。今さら述べるまでもなく、あなたのなかでも両面ある、それぞれのところが、状況においてそのときにいろいろなバランスで変わるのが、人間というものなのではないでしょうか。