『台湾は日本だ論』(8)戦略的脆弱性とドミノ理論の再燃
もしアメリカが日本を失えば、韓国や東南アジア諸国におけるアメリカの信頼は、瞬時に失墜し、米軍は太平洋の東側へと退却を余儀なくされるでしょう。これはアジアにおけるアメリカ支配の終焉を意味します。日本は、アメリカの覇権が倒れないための最初の最大の防壁です。
中国にとっての台湾も、同じようにドミノ論理で語られます。もし中国が台湾の統一に失敗し、台湾が完全に独立、あるいはアメリカの軍事拠点となれば、チベットや新疆ウイグル、さらには香港といった国内の不安定要素に火がつき、共産党体制そのものが揺らぎかねません。海洋進出の夢も、永遠に閉ざされます。
ここを失えば、すべてが崩壊するという絶体絶命の脆弱性を抱えている点で、アメリカにとっての日本と、中国にとっての台湾は、戦略的に等価です。この背水の陣の心理が、両国をこの島嶼を巡る妥協なき対立へと駆り立てています。大国にとっての周辺拠点は、しばしば大国の本体以上に、その存立を左右する生命線となるのです。