◯この時代の豊かさ(2) 延命と医療の普及
豊かさとして、わかりやすい指標は、寿命、長寿です。
1820年頃の世界の平均寿命は約30歳から35歳でした。
1900年になっても約31歳程度。もちろん、これは乳幼児死亡率が高かったからです。
これに対し、現在は、約73歳(2023年時点)。
わずか200年で、人類は、人生の時間の長さを2倍以上に引き延ばしたのです。
かつては、抗生物質もワクチンもなく、
結核やコレラ、天然痘といった感染症が、日常的な死因でした。
麻酔技術も未発達で、外科手術は激痛で命がけでした。
フランスのルイ14世は、当時の最高峰の医療を受けられましたが、
麻酔なしで歯を抜かれ、その際の感染症や壊疽に生涯、苦しみました。
今日、私たちは近所のクリニックで抗生物質を処方してもらい、
高度な検査やがん治療を健康保険制度を通じて、安く利用できます。
王であっても得られなかった健康への権利が、
少なくとも、この日本では、一般市民が享受できているのです。