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映画「本心」に学ぶ近未来(1)再現AIと人間の本心

映画「本心」に学ぶ近未来(1)再現AIと人間の本心

 

 映画の『本心』は、近未来の日本を舞台に、AI技術と人間の感情が結びついた社会を描いています。主人公の朔也は、事故で亡くなった母の再現AIと対話する権利を得ますが、そこに現れる母の再現AIが本当に母の本心を映しているのかという疑問を抱きます。

 AIは膨大なデータから最適解を導き出し、人間に寄り添うように語りかけますが、それは推測されたもので本人の想いとは限りません。

 

 朔也はその違和感と葛藤を通して、人が何をもって他者の「本心」を理解したと言えるのか、人間同士の関係性とは、何かを問い直していきます。

 

 本作では、亡くなった人の人格を再構成するAI技術を軸にしつつ、情報化が進む社会で人々がどのように他者を把握し、自分自身の心を形成していくのかが描かれます。

AIによる感情の代替が進むほど、人間は、自分の感情の揺らぎや複雑さに向き合わざるをえなくなります。

 

 朔也が母の再現AIを前にして感じる、違うのに似ているという感覚は、私たちがSNS上の加工された人格や最適化された情報に触れるときの感覚にも通じています。私たちの生活に密接に重なるテーマです。

 

 テクノロジーの発展が、人間の心に与える影響をどう考えるのか、です。

AIが高度に進化して、他人をデータとして分析し、効率的にコミュニケーションをとることが可能になっています。

しかし、一方で、相手の本心を知りたいという願いは、人間固有のもので、置き換えられるものではないでしょう。

 

#「本心 」の小説、映画

 小説「本心」 <著者:平野啓一郎   初版刊行日:2021年5月26日   出版社  : 文藝春秋
舞台は「自由死」が合法化された2040年代の日本。事故で母を失った青年・朔也は、亡き母の“本心”を知りたいと願い、AI/VR技術で生前そっくりの母を再現する「VF(ヴァーチャル・フィギュア)」の制作を依頼します。再現された母との仮想の再会を通じて、母の本心だけでなく、人間の存在、記憶、社会の貧困・格差・分断、死の自己決定権といった問題と向き合うことになります。>

 

 映画「本心」 <原作:小説『本心』(平野啓一郎)  監督・脚本:石井裕也
キャスト:池松壮亮(主人公 朔也役)、三吉彩花、水上恒司、仲野太賀、田中裕子、綾野剛妻夫木聡田中泯 など。
公開日:2024年11月8日全国公開 上映時間:122分。
テクノロジーが進んだ社会で人間の心を問い直す。 小説と同様に、AIで再現された母と息子の再会、自由死を巡る葛藤、仮想と現実の境界、個人の本心と他者の本心、人間関係や社会の変化などを描く。小説のテーマや世界観を映像化したもので、近い将来を舞台にテクノロジーが人の心や存在にどのような影響を与えるかを描写しています。>

 

 

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