(99)表現のヴァージョンアップ
言葉は、表現されたときに、
止まります。
言葉にしたときに、
誰かに伝えたときに、
固定されてしまうのです。
作品も同じです。
ですから、表現者にとっては、
どこで切り出すかは、とても難しいことです。
大体が完成しないまま、出してしまうからです。
完成というのは、いまでも、よくわかりません。
これで完璧、というのは、何で決まるのでしょう。
自分の100パーセントが出せたとき?
仕事なら相手の欲求を満たせばよいのでしょう。
しかし、作品となると?
修正を入れるとキリがないことにもなりかねません。
賞に応募する人が、何回、書き直したところで出すのか、
そこは多分、期限で切り取られます。
分量でも制限されるのです。
あるいは、自分の限界を感じて、
筆をおくこともあるでしょう。
何年か後に読んでみると、
直したい衝動に駆られることもあるでしょう。
でも、そのときにしか書けないものも多いのです。