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整数次倍音  声の番組〜程度問題でのトリック(4)

 

◯整数次倍音  声の番組〜程度問題でのトリック(3)

 

これは、ハスキーヴォイスの魅力と倍音との関係について

述べたもので、

そういう例としては、わかりやすいものです。

 

図表でビジュアライズし、

科学的手法を用いて、納得させる。

バラエティでも、そうした手法が一般化しました。

つまり、ざっくりと二つに分ける、二極化して説明するのです。

 

最初に、その原理をグラフなどで、科学的に説明して納得させます。

次に本当は、その説明ではそのまま通じないのに

同じパターンのように説明するのです。そこが問題です。

 

ここでは、まず倍音をグラフでみせて、その構造を納得させます。

次に倍音で、整数次と非整数次に、二極化してみせます。

ハスキーな音が非整数次倍音で,

自然の音に多いというところまでは、

その通りです。

グラフでも明らかで、安らぎの音です。

 

こうした専門用語の多用で、

一般の視聴者の思考は停止させられるでしょう。

とはいえ、物理的分析と心理的効果は、同一におけません。

 

そもそも、安らぎの音と魅力的な声は、同じ部類なのでしょうか。

ハスキーな声とそうでない声の魅力の違いとは?

ノイズと安らぎの音の区分けくらい、明示しないとわかりにくいのでは?

 

 

で、極端な操作が、そこから始まるのです。

歌声で、歌手をニつに分け、

整数次倍音と非整数次の混合率で

二軸グラフにポジショニングします。

しかも、ひばりとAdoさんは、それを使い分ける、

だからすごいという、

ところにまで、走ってしまいます。

 

いまどきのAdoさんと、ひばりさんを同じに扱うなとは言いませんが、

この2人の才能のも声も、明らかに別ものです。

声でのデータなのですから、なおさらでしょう。

ただ、ビックリさせたい効果で、

この説明に飛びついたのでしょうね。

 

ですから、もうグラフは出しませんね。

複雑で、一目でわかるようなものではないから、

説明できないから、出さないのです。

まあ、先生本人はわかっていて、

NHKがもっていきたかったパターンなのでしょう。

 

こうしたバラエティーでも、科学的な検証をしてみせるものは、

クレジットなどで適用範囲や責任を明確にすべきです。

ここからは、この先生の個人的見解ですとか好みです、とか、、。

 

食品ほどには実害はないので、これ以上、追求しませんが、

科学的にアプローチしている研究者には、迷惑な話でしょう。

新聞は読まずとも「NHKで言ってたよ」というと、

鵜呑みにする国民が多い日本なのですから。

 

 

 

<「チコちゃんに叱られる  ハスキーヴォイスの魅力」  NHK10/18 

 解説は、順天堂大学の中村明一講師。森や海などの大自然の音とハスキーボイスに共通する特徴として挙がるのが「非整数次倍音」という聞き慣れない用語。

そもそも倍音とはピアノを例にとると鍵盤を押して初めに鳴る音(=基音)に続いて共鳴して鳴る音の事。さらに音の周波数に注目すると倍音が基音の2倍、3倍と整数倍で推移していく事から、このような波形を持つ音の事を「整数次倍音」と呼び、とても規則的な間隔で倍音が並んでいるこの形が倍音の典型例。

一方で非整数次倍音の波形を大自然の滝の音を例に見てみると、細かいギザギザが無数に表れていてこれこそが非整数時倍音の典型例。他にも波の音、稲穂の揺れる音、木々のざわめきなどなど。これに対して人の声をどうかというと、民謡歌手の伊藤多喜雄の歌声は整数次倍音の特徴が強く出ていて、聞き手にはっきりメッセージが伝わるので説得力やカリスマ性にも通じる大事な要素を兼ね備えているいわゆる「クリアで良い声」の持ち主という事に。中村先生によると芸能人だと黒柳徹子タモリなども整数次倍音の特徴を持つ声との事。一方でハスキーボイスの声優として活躍する木村昴の声の波形は非整数時倍音。こういった声の持ち主は潜在的に親しみやすさ・癒しを感じさせるそうでハスキーで魅力的な声という事に。芸能人だとビートたけし笑福亭鶴瓶が代表格。

そして整数次倍音と非整数次倍音を巧みに使い分ける昭和の歌姫・美空ひばり。例えば楽曲「川の流れのように」では冒頭からずっと非整数時倍音での歌唱が続き、サビに来ると一気に整数次倍音にチェンジ。現役で活躍する歌手だとAdoも整数次倍音・非整数時倍音も共に強く出ている声。>