賃上げ率が、30年ぶりに3パーセントを超えるというので、やはり、大企業はいいな、という風潮になりそうです。
◯仕事と労働
少数精鋭とは、その名の通り、少数の精鋭にメリットがあり、その他の多くの人は、その恩恵にはあずかれません。
こうした政策を決める人も、それを報道する人も、今や、少数精鋭の高給どりの方です。
ですから、「仕事の省力化、自動化が進むことによって、つまらない仕事に従事する必要がなくなり、人間らしい仕事ができるようになる」などと、もっとらしいことを言います。仕事の生産性が高まるから、報酬も上がるかのように、、。
そういう仕事をしている少数の人にとって、チャンスが増えることです。が、それまで生計を立てるために、嫌な仕事を割り切ってしてきた人にとっては、次の糸口もなかなかつかめるものではありません。また、少数精鋭の人も、さらに少数精鋭に絞られることになります。
仕事に生きがいを見つけられる人とは、どのぐらいいるのでしょう。他に生きがいがないとか、仕事の中に、ときおり生きがいがある人は、それなりに多いとは思います。
それは、仕事の生きていくための報酬以外でのプラス面です。
しかし、できたらやりたくない仕事に長い時間、従事させられ、人生を使わされているのが大半ではないでしょうか。もしベーシックインカムの2倍くらいの報酬が与えられるとして、「仕事を続けますか」と聞いたら、どうでしょう。7割くらいの人はやめてしまうのではないでしょうか。
それより、報酬が低くても、仕事をするという人は、なかなか立派な人に思います。
生活保護より月収が低かったような日本で、仕事を選び続けた人は、気概や尊厳もあったのでしょう。保護制度は、弱者救済のセイフティネットなのに、日本では、本当の弱者が認められなかったり、貧困ビジネスに食い込まれたりしています。
エッセンシャルワーカーのような社会的にもっとも必要な仕事の労働報酬が低いのは、需給バランスにもよるのでしょうが、サービス業の評価の難しいところです。
結局、人間ですから、自分が好きなことをやるときには、お金を出し、自分が嫌いなことをやらされるときには、お金をもらうという、これまでの当たり前の価値判断で動いているのではないでしょうか。
実力評価が年功序列評価より優先されていく流れは確かなので、これから力をつければよいわけです。それは正論ですから、正論を踏まえて努力しましょう。