fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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日本における人権問題 技能実習制度

白河の関の挿入で、1日飛んでしまいました。すいませんー

 

技能実習制度の実態

古川法務大臣は、会見で「国際貢献という目的と人手不足を補う労働力としての実態が乖離しているとの指摘はもっともだ」と述べました。7/29

技能実習制度を見直すため、政府は年内にも有識者会議を設け、具体的な議論を始める方針とか、。

この制度は、これまでも何度も見直しを必要とされてきたのに、実質的なところでは変わらず、日本のイメージを悪化させ続けているのです。

日本に憧れと期待を持ち、全財産どころか大きな借金をしてきたのに、何千人もの実習生が失踪している、あるいは、失意で帰国、強制送還。

使用する方にも、労働力不足で、やむを得ない死活問題があるわけです。そこで彼らに親切に振る舞う人もいれば、失踪させるほどの暴行や虐待に近いことを行っている人もいるのです。それは、私たちの側の問題です。

 

技能実習制度の理念と現実

1993年に始まった技能実習制度は、発展途上国の人材育成を主な目的とする一方で、安い労働力として実習生が使われ、失踪する実習生も後を絶ちません。そこには、差別や人権の問題が集約されています。

その基本理念は2つ、

  1. 技能等の適正な修得、習熟又は熟達のために整備され、かつ、技能実習生が技能実習に専念できるようにその保護を図る体制が確立された環境で行わなければならないこと
  2. 労働力の需給の調整の手段として行われてはならないこと

日本人なら、このことが守られていないことは知っており、それどころか、こんな理念があることに驚くのではないでしょうか。どちらも現場ではないがしろにされ続いているのですから。

 

<アメリカは、2021年7月に公表した人身売買に関する年次報告書の中で、人身売買と闘うヒーローの1人に外国人技能実習生の支援活動に取り組む弁護士指宿昭一を選んだ。

国際連合人権理事会の専門家による訪日調査では制度を廃止し、雇用制度に変更すべきと報告。

国際労働機関のフィラデルフィア宣言や総会で採択されている184条約に反している部分がある。

アムネスティ・インターナショナル日本支部は、技能実習制度を労働力補充の「入口」として、労働者の普遍的権利あるいは基本的人権さえをも制限した使い勝手のいい労働者を受け入れるシステムとして固定化するものとした。>(Wikipedia)

 

アメリカも日本のこの制度については10年以上前から指摘し続けています。でも改善の努力を行っていると言い訳で、日米ともにうやむやにしてきたわけです。

国連の指摘は、人権問題に踏み込んだもので、日本としても見過ごせなくなりつつあります。

こうした悪い待遇が知れて日本を避ける、新しい技術革新でもう日本に学ぶことがない、日本の賃金の国際的下落など、さまざまな懸念が出て行き詰まりがはっきりしてきました。コロナ禍が輪をかけました。

外圧によってしか、まともなことのできない国だということをまた、あらわにしたわけです。

 

◯無関心からの自覚

私たちは、そういったことが、ウイグルなどの遠いところでなく、国内で、しかもテレビでも度々、報道されているのに、見て見ぬふりをしているのです。政治家も経済界も工場主や農家も。そのほうが都合がよいからです。

差別や人権の問題が、これだけ身近にあるのに、私たちは無関心に振る舞うのです。私もそれに対する行動はしていないので、批判する立場にはありません。

それでも関心をもち、それに対して何ら行動していないことを自覚し続けること、その自分自身を通じて、人間や社会を学ぶこと。いざ自分に降りかかってきたときに、綺麗ごとで済むわけはないくらいのイマジネーションは、磨いておかなければいけないと思うのです。

 

この問題については、私もレクチャーで学んできたくらいで、理解不足もあるかと思います。国際問題と同じく、あえて、ここで触れているのは、

今の私たち日本人でさえ、こういう振る舞いをしていることを自覚することという主旨です。

ウクライナの人を助けるなどの美談が、連日、マスメディアで大きく取り上げられていることで、満足してはいけないのです。まあ、寄付も、軍備に使われるとか横流しされるとか聞くと迷いますね。

 

別に、日本の入管の問題が、大きいのです。この制度の抜け穴のグル、、。

昨年、ウィシュマ・サンダマリさんの死亡については、大きく報道されました。その後は、

<名古屋出入国在留管理局の施設に収容されていたスリランカ人の女性が死亡した問題で、殺人の疑いで刑事告訴していた当時の局長などについて、名古屋地方検察庁は、不起訴にしました。>6/17