◯人間は拡張をめざす
4/5に、遺伝子の延長された表現形について述べました。道具を使ったり、リモコンやラジコンで操縦をしたり、乗り物ににの乗ったり、電気のスイッチを入れたり、私たちは、常に自分の力が拡大されて働くことを、快感として感じています。
人間拡張は、マルクーハン、エドワードホールなどが取り上げてきた用語です。
1960年代以降、戦後の復興を機に、世界人口は、30億人から、80億人になろうとしています。これは19世紀初めの人口の8倍に当たります。つまり、我々が生きていた時代に人口大爆発をしたのです。
ちなみに全世界での第一次世界大戦での死者は、1600万人、第二次世界大戦では、5400万人です。今回のコロナ禍は、4/6現在で、616万人です。
ノーバートウィーナーの唱えたサイバネティックスは、機械によって拡張された人間の研究です。日本では、鉄腕アトム、鉄人28号、ガンダムと、人気アニメが、いろいろと想像を広げさせてくれました。
「2001年宇宙の旅」は、30年先を観ようとしたのです。1969年に公開です。
その年、日本ではドラえもんが始まりました。2112年9月3日ドラえもんは誕生したのです。2123年にタイムマシンで過去に送られてきます。のび太は、10歳ですが、ずっと歳をとらないので困りますが、最初の設定では1962年生まれで1972年にドラえもんと会ったことになります。
さて、その映画の冒頭で、人類の祖先が空に放り投げた骨が、宇宙に飛んでいき、宇宙船に変化し、核兵器を搭載した軍事衛星となります。人類が動物の骨を武器として進化していったことを表します。
そこと最後の2カ所で流れる、「ツァラトストラはかく語りき」の曲は、リヒャルトシュトラウスが作曲したものです。ツァラトストラはゾロアスターのことです。ニーチェの作品では、キリスト教の神の死を叫んでいるのです。
マジ神、神対応、神ってるは、レベチなものに使われます。
日本の神の場合は憑依してきますが、人間も依代となるのです。天理教では、中山美樹が生き神のようなものです。
キリストがパウロに呼びかけたときには、天から光が差し、イエスの声が届きました。声は天からもたらされたわけです。
神はブラックボックスですが、その点でAIでも共通しています。知性や因果関係を持たないからです。
AIでは、今度は、人間の記憶の拡張からの創造になっていくのです。
◯分人と合人
触覚の検出装置や筋電センサーなどから、言葉を使わずに、自分の筋肉の動かし方を他人に伝えることができるようになるでしょう。身体性の記録と伝達の技術の進歩です。
私が、リハビリテーションとスポーツ、アスレチック業界から、情報を得ているのはそのためです。
身体がデジタル化され、複数のアバターで動いていくわけです。リモートでロボットを動かしているなら、それが分身となります。パーマンやドラえもんに出てきたコピーロボットとなります。分人化の研究です。
一方で、複数の人間、アバターの情報を得ることによって、集合知を蓄え、優れていくのならそれは、合人というようなものになります。
インターネットは、空間を制しましたが、バーチャルリアリティーは、時間を制することになっていくでしょう。
アバターでは、他人と体験をシェアしたり他人のを動かしたりすることができるからです。共有感や所有感を得られるのです。これも、拡張の快感です。
好きなキャラを選んで楽しむロールプレイングゲームを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません