拡大自殺(extended suicide)というのが、またもや起きてしまいました。人を巻き込むとニュースになり、1人で死ぬとスルーされる、みたいな感覚もあるのでしょうか。人間、追い詰められ、犯行を引き起こしてしまう、そこを救うのは、事前のほかの人のサポートしかないのです。
1人で死んだらいい、などと言う論調は、厳禁です。さらに追い詰めてしまうだけです。
実際、自殺を試み、死ねなかった後に、人を巻き込むことが多いそうです。
クローズされた状況を、ネットは救うこともできるのです。なのに追い詰めてしまうことに使うな、です。
人生、追い詰められる状況に陥ることは、他人事ではないのです。
ここからは、殺された医師の世代の話となります。
〇ロスジェネ世代
2019年6月、政府は、30代半ばから40代半ばの就職氷河期世代を、人生再設計第一世代と名づけました。1993年から2004年に学校卒業を迎えた世代です。
1993年とは、55年体制が崩れて細川内閣ができたときです。河野談話。翌年に村山内閣ができます。
2007年、朝日新聞は、当時の25歳から35歳をロストジェネレーションと呼びました。
1995年、結婚して子供がいる40代男性は70%でしたが、
その20年後には、およそ50%になりました。
35〜44歳の非正規雇用率は28%、全体では38%になります。
〇貧困問題
現在の日本で、食料不足で亡くなる人が年間数十人いるそうです。
貧困の問題は本人の責任なのか社会の問題なのか、
日本では自己責任にされることが多いようです。
つまり、「内と外」の、「外の人」のこととされてしまうのです。
〇貧乏と不満
まわりがみんな貧乏な時代にハングリー精神で生きていた人の貧乏と、そうでない環境下の人の貧乏は、一緒にはできません。
関東大震災や大空襲の中を生き抜いていた人は、社会や生活がよくなくても不満は言いませんでした。
〇分相応
あえて極論でいうのなら、圧倒的な貧富の差がつくと、どういう社会になるかというと、案外と落ち着くのかもしれません。
人間、目の前のものをしっかりとやり続けることで満足できるのなら、幸福です。
その先を見なければ、です。
〇ギャンブル
誰もにチャンスがあって、努力次第でよくなると思っていて、ずっと目標に届かないのも不幸です。目標そのものが喪失したら、です。精神的にめげて鬱になったりするのでしょう。
それならギャンブルなどの方が健康的です。短期で結果が出るのですから。ただし、のめりこまなければ、です。どちらにしても、ギャンブルですが。
〇家と村の次のモデル
日本ではバブル崩壊まで、それなりに順調でした。もちろん、そう思っていただけですが。
そこで初めてうまくいかなくなったことがいろいろと出てきました。
夫がサラリーマンで妻が専業主婦という家庭モデルと会社という村(ファミリー)が、昭和の高度成長期までは、理想的なモデルとしてあり、現実に当てはまっていたからです。家と村のシステムが支えていたのです。
それに代わるモデルがないままなのですが、それは、自由の名のもと、ここに探求して実現していく時代なのでしょう。