年末に、お決まりの番組は、第九と赤穂浪士討ち入りでしたね。
忠臣蔵では、大石内蔵助は、浅野家の名誉を守るために悩みます。特にとても世間の評判を気にしていたようです。なかなか討ち入りしないことに世間が不満を持っていること、全く別の所で討ち入りした家臣たちが大々的に報じられ、よい評判になっていたことなど。
幕府もまた、討ち入りされた吉良家ではなく、浅野家の方を立てました。総じて世間の思惑で動いていたとも思われるのです。
私としては、敵討ちが禁止されたのだから、死刑制度もなくなってよいと思うのですが、この国の、世間はそうではないのでしょうね。
さて、日本の物価もここのところ値上げが顕著です。他国との給与や物価の比較もよく報道されるようになりました。コロナ禍でグローバルな行き来が停滞しているために、上がっているものもありますが、その反面、ずいぶん助かっていることも忘れてはなりません。
国際的に経済力が低下するということは、モノも買えなくなるし人材も来なくなるということです。これまでのものが得られないだけでは済まないのです。
グローバルな国際社会においては、何でも流出する、取られていくことにほかならないのです。
◯移民が来る国、移民していく国
文化、芸術や創造性を発揮できるような分野で活躍する人というのは、大体、移民かその子供だったりするのです。
アメリカの国力が、西洋からの移民の後、インド、中国、韓国、台湾などの優秀な人たちで保たれているのは、誰もが知っていることです。
日本は、アジアでは、まだ優秀な人たちが来たいと言ってくれていますが、こうして門扉を閉ざしていたり扱いがひどければ、嫌われます。なにより、このまま報酬が安ければ、見向きもされなくなるでしょう。いえ、すでにそうなりつつあります。
In Japan people always worry about not to disturb each other. Do you know ,
they have a very harmonious relationship.
これはノーベル賞の真鍋淑郎氏が、国籍をアメリカに変えた理由を述べたものの冒頭です。日本の良さに言及していますが、このあと私は日本に合っていない、と続きます。つまり、日本は創造的な環境でないと言うことです。
〇グローバルとローカル
育った土地、住んでいる土地への愛着は、人間である限り、生きていくベースとなるものです。
才能がある富裕層の多くは、必ずしもそうではなく、ローカルである人間離れをした人々です。いざとなれば母国を捨てて逃げることもできます。いや、そうした才能のある人を留められない国は、衰退していくしかないのです。
また、グローバル資本におけるコスモポリタンは、ローカルに根っこをもたないなら、悪いナショナリズムとなりかねません。