fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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性差からみる多様性 生理の貧困

さて、先日、女性のことを抜かしたというので、触れておきます。

平等なコミュニケーションを大切にしたい日本では、

1986年、男女雇用均等法から30余年で、

2019年パワハラ防止法まで成立させました。

人々の意識があって法律が制定されるようでも、実際は法律が制定されてから人々の意識が変わるまではずいぶん時間がかかるものです。そして人々の意識が変わらない限りは、法律も笑に描いた餅になっている場合が多いのです。ただ、法律制定が1つのきっかけとなるので、第一目標とするのは、よいことに思います。

 

経済的な理由で生理用品を購入できない女性がいるという「生理の貧困」について、国や地方公共団体による取り組みが活発になりました。日本では数年前から、"生理ムーブメント"と呼べる動きがあり、それがコロナ禍での生活苦に重なり、にわかに「生理の貧困」が話題となりました。

これは日本だけの問題ではなく、世界の方が先行している事例といえます。イギリスでは、昨年1月、スコットランドが小中学校での生理用品の無償配布制度を導入、11月にはイングランドが生理用品を必要とするすべての人への無償配布を行うという法案が可決、今年2月には、ニュージーランドが無償配布を決定、フランスは大学生への無償配布を決定しました。

 

日本にきた外国人が驚くのは、ポケットティッシュが街で無料で配布されていることでした。私の経験では海外でそういうものを受け取ったら、必ず金を請求されるのが常識ですから。どことは言いませんが、公園に体重計があって、それに乗っただけでせびられたこともありました。

日本では、トイレットペーパーがどこでも使い放題、前は何ロールも盗まれることがありましたね。その延長線で考えてよいのかわかりませんが、こうしたことは、社会での意識変化によって早く解決できる問題の1つではないかと思います。

 

ここから、歴史的に踏み込むと

〇女人禁制の理由 

大相撲土俵立ち入りで問題になったこともあるように、女人禁制には長い歴史があります。今も神聖な場への立ち入りを制限しているケースが少なくありません。

男尊女卑という勿れ、生理について、萩野久作の論文が出たのは、1924年です。

それまでは、生理は、まさに疾病扱いでした。穢れであり、目の障りだったのです。血が凝固しないこともあって、毒素を含むように見ていたところもあったそうです。

 

差別は良くありませんが、区別ということが、これから曖昧になったときにいろんな問題が起きてくると思います。そこは人種という概念よりも解決困難なところかもしれません。生物的に異なっているのは事実であり、それは生存に関する本能にまで根ざすからです。

 

〇性差の軋轢

オスの量とメスの質でのセクシャルコンフリクトは、生物の本能としての相剋です。1979年Parker。

進化生物学では、個性を遺伝の「戦略」、環境の「戦術」と分けます。

ダーウィン1859年、自然選択説種の起源」、1871年、性選択説を唱えました。

 

とはいえ、

〇DNAでみる多様性 

染色体23対が2本あると、その組み合わせは2の23乗で838万通りとなります。それを父母で掛け合わせると838万×838万で70兆を超える組み合わせとなります。

一つのカップルで世界の人口70億の1,000倍の組み合わせができるのです。

これほどまでに、人は多様性に富むといえるのです。

というまとめで、年の暮れに免じてお許しくだされ。