私は、実存主義やシュールレアリスムに魅かれましたが、大学で「今は現象学の時代(メルロ・ポンティ)」と言われました。結果として構造主義とか言語学とかからは逃げ出したのですが、それは、1960、70年代に西洋から世界へ広がった思想です。
構造上の問題(構造的)問題ということばが、一時、よく使われていました。構造的不況などと言われ、?と思ったものです。「構造主義」と関係はないのですが、それ自体では解決のつかない大きい構造に取り込まれているところでは、何となく共通します。
西洋の思想史では、ヘーゲル-マルクス主義-実存主義-構造主義となります。
マルクスの「共産党宣言」は、1848年、フロイトの「夢判断」は、1900年です。
マルクスは、階級によっての違いに着目し、存在より行動で決まる、自分のつくり出したものによって、自分が決まるとしました(生産―労働)。
フロイトは、知りたがっていないことを知らないでいる、それを抑圧としました。物語を読みとくのには、何もしないこと、つまり、まずは、勝手な解釈をはさまないようにします。そのために、とても時間がかかるのです。
アドラー心理学は、日本で2014年くらいに「嫌われる勇気」の大ヒットでブームになりましたね。
こうした思想史と自分の個人史を合わせていくような作業は、案外と興味深いものです。