共稼ぎと専業主婦家庭の年収の変化は、1980年、600万円対1,100万円が、1995年から2000年にかけて、900万円くらいで均衡して、20年経った2020年には、1,240万円対571万円と大きく逆転しています。つまり地方では、学校の先生同士で結婚すると、かなりの高所得者になってしまうわけです。
以前は、女性は結婚すると寿退社ということを前提で、男性はその扶養分も給与に含まれていたわけです。しかし、結婚しても女性は仕事を続け、結婚しない若者や離婚する人も増え、従来の4人家族を夫が養うという生活モデルはとっくに崩れているわけです。なのに出てくる政策は、そこをみないからおかしくなってしまうわけです。
今回の給付金で960万円以下が対象というのは、世帯収入ではなく、1人の収入に対してです。つまり、980万円の専業主婦家庭では補助がなく、900万円と600万円で夫婦で1,500万円稼げる共稼ぎ夫婦には補助が行くのです。とはいえ、この二例なら、補助金など不要でしょう。
弱者の側に立って、それぞれの当事者の気持ちを考えるなら、国も会社も補助や賠償など求められるままに支払えばいいのに、と思っても、その分、どこから出るのか、そのことで誰かが犠牲にならないか、将来は、と考えると、簡単に払えないとなるものです。
なのに、今のばらまきは、払って欲しい、どうしても生活できない、と言わない人にまで、ばらまいてしまうわけです。本当に必要な人には、それでは、足らないわけです。どちらにも意味がないから、ばかまきといいたいくらいです。
それで手間や中間経費がかからないというならわかるのですが、そこはそこでまたクーポンやら複雑にしている分、たくさんかかっているわけです。
ばらまきは、出所、財源を明らかにしません。それをどうやって補うかを考えていないのでしょうか。昔であれば、私は、もう少し政府を信頼してそんなはずはないと言えました。しかし、今や、きっとそうなんだろう、と思います。
非常事態と言って、配って貯蓄に回る、ならば、それは本当の非常事態ではないのです。なのに、今しか見ていないのです。
そういえば、中国が取り始めた共同富裕政策は、殺富済貧になるのでしょうか。日本のせこい掛け引きとは違う大胆な権力闘争の図が見えてきます。
今の18歳以下に出す補助金10万円分は、彼らが成長したら返済すべき負債となる、としたら、彼らは、もらいたいと思うのでしょうか。何より、親がもらって使う、それは本当に誰のためになるのでしょう?
複雑な業務を請け負う業者?
参議院選挙対策クーポン?