fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

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報道ジャーナリストと映画「MINAMATAーミナマタ」(2)

映画「MINAMATAーミナマタ」について、事実関連を追加します。若干、ネタバレになりますが、これを知ってから見ても面白いと思います。

 

 
チッソの社長が現金を賄賂として渡そうとして断られる場面や、公の場でのチッソ社長の人間味が漏れるような表情などは、実際にはなかったでしょう。小屋が全焼することも。ましてユージンが変装して病院に潜入、書類を写すのは、やりすぎ。ここで猫の映像となると、ユージンが証拠を見つけたように世界中の人たちは誤解してしまうでしょう。
時系列でみると、ユージンが日本に行ったときには、すでに厚生省が公に公害と認定しているわけです。また、最高作品を撮った時点と事件などの前後関係も違います。
ドラマとして盛り上げるために、そのような構成にしたのはよくわかります。アメリカの映画らしい所以です。
一方で、沖縄戦の日本軍の砲撃で大怪我をさせられたユージンが、今度はチッソの社員に大怪我させられるのは、事実です。よくぞ日本人を恨まないでくれたものです。
 
などと考えると、この作品は、史実に基づくのではなく、史実を元にして着想を得た、というクレジットが適切かと。(映画監督や演出家、脚本家を目指す人は、事実からどのようにして作品に組み立てるのかを、学ぶのにはよい材料かもしれません。)
 
 なぜなら、すでに過去の事として片付いたことならともかく、水俣病に関しては現在も続いていることです。この映画自体ドキュメンタリー的に、現在の環境問題にまでつなげようとしているからなおさら、その区別をどこかで明記しなくては、と思います。
ただ、このような作品が世界的な映画スターによってつくられ、配給されることはありがたいことです。

 

9月17日、発売の「週刊金曜日」特集記事の
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