政財界、司法行政、警察、病院などでの内部不正ものがドラマで多くなりました。それほど違和感なく、身近に見聞きしたり、ありそうに感じたりするようになったからでしょう。昭和の頃のような巨悪は少なくなったと思いますが、組織内の同調圧力の“空気”を破るヒーローの活躍がテーマです。皆、「そう思ってもできないよな」と思ってみて、うっぷんをはらしているのでしょう。
いじめやハラスメントが摘発されていくのは、迷惑の度合いが大きいからです。弱者の訴えが認められやすくなり、「嫌」を訴えられる社会になりつつもあります。
しかし、迷惑をかけられた感に敏感になる人が増えると、皆がクレーマー化してしまいます。むしろギスギスして、訴えられることを恐れるあまり、言いたいことも言えなくなると、これもまた、自由でなく窮屈な社会になりかねません。