fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

表現、創作、スピーチ、雑談のネタの欲しい人、今の自分と社会・世界を結びつけたい人、考えを深めたい人に

「野球とテニスとアメリカ」

 パワハラ問題が、かしましいこの頃で、そんななかですから、8月の金足農業の準優勝のさわやかさに多くの人が快哉を叫んだのも無理はありません。しかし、それは痛々しかった。初回からムリと誰もがわかったのに止められない。結局、サードが代わって投げて、それでも、ライトで万一にそなえていなくてはいけないエース。大阪桐蔭もエースで勝ち上がってきましたが、全員野球、それに対して金農は、9名ですべて通す、しかも地元出身の農業高です。もし、代わったピッチャーが打たれてしまったら(なぜ打たれなかったのか、打たなかったか)、どうなっていたのかと思います。結局、日本軍の玉砕から「巨人の星」まで保たれていた精神というのはあまり変わっていないのですね。死ななくては変わらないのかと。
 タイブレークになり、今後はアメリカのように投球数制限が課せられる方向にでも動くかもしれませんが、すると尚更、日大三高のように3人以上の強いピッチャーをそろえていく、今のプロ野球と同じ継投となり、第二の金農は二度と出てこなくなるのでしょうー。でも、昔と暑さが違うでしょう。
 6月の地震でのプールの壁崩壊での女児死とか、2012年府立男子バスケット部のキャプテン自殺後の「暴力行為根絶宣言」などのパワハラ対策が頭をよぎりました。
 9月9日大坂なおみは、全米でセリーナ・ウィリアムズを破り、その謙虚な態度で世界中を魅了しました。その前に私は封切されたばかりの「ボルグVSマッケンロー」(1980年の対戦の映画化)をみて、ボルグも短気で切れやすい奴だということを初めて知り、それがセリーナの試合と重なったのです。アメリカのファンや協会のひいきのひき倒しに相変わらずバカだと思いつつ、有力紙がこぞって大阪選手をほめ、セリーナや全米協会をやりこめたところに、アメリカの賢明さを、日本のように一色にそまらない健全さを、思い出すことになったわけです。
 柔道は武道として必修化になりましたが、そこまでの28年に練習中に118人が死んでいたのです。日本より人口が多く同じく小中学校でもやっているフランスでは0です。
 39度ともなる猛暑や台風豪雨、さらに地震とオンパレードのようにゆさぶられた夏も終わりました。もう警告の段階をすぎたのではと思うのですが、どうにも、いやな熱がこもったままです。