相撲 日本古来の神事や祭り 武芸 武道 (「弓取り式」)。
祝儀(懸賞金)を得るための興行としての大相撲
奉納相撲 rf.沖縄本島の沖縄角力(シマ)、モンゴルのブフ、中国のシュアイジャオ、朝鮮半島のシルム、トルコのヤールギュレシ、セネガルのラム
「スマヰ」→「すまひ」→「すまふ」→「すもう」 「角力」、「捔力」(『日本書紀』)、「角觝」(江戸時代、一部で使用) 「力士」「相撲取り」「お相撲さん」 「sumo(スモウ)」または「sumo-wrestling(スモウ・レスリング)」
<歴史>
『古事記』の葦原中国平定の建御雷神(タケミカヅチ)に出雲の建御名方神(タケミナカタ)が「然欲爲力競」と挑む。
垂仁天皇7年(紀元前23年) 野見宿禰が當麻蹶速(当麻蹴速)の「捔力」(「すまいとらしむ・スマヰ」の戦いで蹴り踏み殺す(=柔道の起源ともされている)。当時の相撲は打撃を主とする。
『古事記』の垂仁記に「力士」(ちからひと・すまひひと)
「相撲」ということば 日本書紀の雄略天皇 女相撲最古の記事 相撲が初めて史書に登場するのは采女による女相撲
奈良時代から平安時代 宮中行事 相撲節会が毎年7月ごろ 天覧相撲 734年。 8世紀初頭に定着。1174年を最後に廃絶。
平安時代 「相撲節」 弘仁12年(821年)宮中行事 射礼、騎射とともに宮中の重要儀式出る「三度節」
「相撲会所」は、明和年間(1764~1771年)には制度が整った。
1174年、相撲節は廃止 安土桃山時代に織田信長が近江・京都出身の相撲取を百石に取り立て 大名が弓術、槍術、馬術の得手に準じ相撲取を戦力として召し抱えた。
神社における祭事としての「神事相撲」。「武家相撲」。応仁の乱以降、「土地相撲」(「草相撲」)
江戸時代「勧進相撲」。江戸時代 女性と盲人による合併相撲 江戸時代の相撲場は危険。
1758年 「えた」と相撲側で衝突 「八王子出入一件」
相撲の地位 “裸体で取っ組み合う相撲”も近代的なもの 1872年の違式註違条例によって男女による合併相撲が姿を消した。 1877年、内務卿の大久保利通による神社仏閣の境内での見世物興行の禁止の布達のため、回向院で勧進相撲興行(1833年より慣行)が行えなくなる。
明治42年(1909年)、相撲は「国技」、1909年6月に両国国技館
江見水蔭 初興行披露状 「抑も角力は日本の国技、歴代の朝廷之を奨励せられ、相撲節会の盛事は、尚武の気を養い来たり」 国技というのは相撲界の自称。
平成 日本ビーチ相撲連盟。あんことソップ(軽量級)。ブラジル ジョージア。
義務教育に武道必修化 相撲・剣道・柔道の三種を基本。
<神事>
柏手 注連縄(相撲の宗家とされた吉田司家の許し)
土俵祭 1791年 徳川家斉の上覧のとき吉田追風が「方家開」として始める。
相撲場は明治中期まで女人禁制。無差別。直径15尺(4.55m)
塵手水 仕切り 立会い
決まり手 投げ・掛け・反り・捻り 四十八手 大相撲協会が82の技名と技でない決まり手5(勇み足など)
手合と三段構え 「追っ付けの構え」
受け身・鉄砲・四股・摺り足・股割・ぶつかり稽古等
神道:「穢れ思想」、「死穢」(=黒不浄)「血穢」(=赤不浄)「産穢」(=白不浄)、月小屋や産小屋(産屋)
由来 四本柱には四色の布 四季と四神獣
塩 力水 四股や蹲踞の前の柏手 「神事相撲」
一堂に会して四股を踏み、大地を踏み固め、五穀豊穣を祈る。
明治四年の断髪令 神事と興行 筆 甚句 ちゃんこ番 初っ切りや弓取り
仏教:「土俵祭」 土俵に物を埋める 『納め物』あるいは『鎮め物』 勝栗・洗米・昆布・するめ・塩・榧(かや)の実 正月の正式な食べ物 土俵を鎮める
行司が神官姿 行事家 木村家 式守家。祝詞 “お神酒を頂戴する”
仏舎建築物 四方八方に五宝(瑠璃・珊瑚・瑪瑙・金・銀) 五香(沈香・白檀香・紫檀香・沙羅香・天木香) 五穀(大麦・小麦・小豆・胡麻・稲)
女性差別に「血盆経」 室町時代に日本に伝来、「女人五障説」と「変成男子(へんじょうなんし)」説
仏教の経典である「妙蓮華経安楽行品第14」では相撲取が排除(差別)のリスト入り、室町時代の女力士 ある比丘尼が勧進相撲にたびたび参加ともある。
「王・王子・王の大臣・王の臣下。他の信仰を持つ輩・苦行者・托鉢者・アージーヴィカ教徒、ニルグランタ教徒。詩書や論書に専念する者。世事に関係ある呪文を信奉する人々・ローカーヤタ派の教徒。チャンダーラ・マウシュテイカ・豚肉業者・鶏肉業者・狩猟者・屠殺業者・遊芸人・詐欺師・相撲取・声聞の乗物をもとめる僧・尼僧・男女の信者・婦女子・大家・少女・処女・若い女」
修験道:「十界修行」修羅道も山伏同士の相撲大会 「押し合い揉み合うことによって、お互いの穢れを落とし自らの荒く猛々しい心を踏み鎮めると同時に不屈の心身を鍛えること」
<呼吸>立ち上がった後に使う「ハッキョイ」は「発気揚々」、両力士が動かない場合に用いる(『審判規則』)。
「仕切り」 向かい合い、両手を土俵について腰を割り、お互いの呼吸を合わせてゆく構えや姿勢、行司は「見合って」や「構えて」と声をかけ、呼吸を合わせる。
仕切り制限時間 幕内は4分、十両(十枚目)で3分、幕下以下は2分以内(幕下以下では「2回目の仕切りで立つ」)、仕切りと塩まきを繰り返す。制限時間前に立ってもいい。
時計係の審判が、行司と呼出に手を出し合図、行司は頷き、呼出は立ち上がる。1度目の合図は呼出向け、2度目は行司へ。時間がくると呼出は立ち上がり、塩を取りに来た力士にタオルを渡す。制限時間がいっぱいで、行司は正面を向いて軍配を返す。「時間です」「待ったありません(待ったなし)」の掛け声。
琴奨菊の「琴バウアー」、高安の息吐き「ごふー」、宇良の「エアー鍵まわし」、琴勇輝の「腕ぐるぐるで彼方に向かっての頷き」
<八百長問題>「出来山」=「出来レース」(「人情相撲」、「情け相撲」、「片八百長」)
「盆中」とは、モグリの賭場で、依頼する人物を「中盆」(「ちゅうぼん」「なかぼん」)という。「阿吽の呼吸」 「気負け」 ケガの恐れ 手を抜く 「ガチンコ」と「無気力相撲」
「ごっつぁんです」「可愛がる」
参考文献:北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)第59巻第1号 吉崎詳司・稲野一彦<女人禁制>、Wikipediaほか