fukugen(福言):出会い気づき変わるためのヒント

「モチベートがかからない」とか「やる気がでない」という質問をよく受けます。私は、人との出会いや映画、音楽、本などに救われてきました。なかでも、人のことばは、大きな意味をもちました。これからは、そういうことを思い返しながら、生きていくのに基礎となった一般教養や歴史、データなどのピースを散りばめていきます。ご興味があれば、そこからググってください。あなたがこの社会と結びつき、生きていくエネルギーとなるのに、少しでもお役立ちできたらうれしいです。[2021/08]

書道

2009年に中国の書道はユネスコ無形文化遺産登録。中国では高い机、立ったまま書く。

美化された文字を書、人間修行、古来中国では六芸の一つ。

「文字の美的工夫」「文字の美術」「線の美」「書は人なり」

「文字を正しく整えて書く」(文部省)「舞踏に近い」(大岡信)、「リズムそのもの」(西田幾太郎)、書は筆跡(肉筆)、書字跡(墨跡)

石碑、篆刻(てんこく)刻書、刻字(←甲骨文字)、占える 「よい感じの書」

力―深さと速度(流麗、流暢)―空間と時間

書の三要素、「線質」1.面の美、2.鋒先の動線美、3.蔵鋒の美、「用具」「造形」

筆触(書きぶり、タッチ)と構成、字画←→虚画、虚筆、虚脈

墨の色 筆、墨、紙と草書体(今草)、毛筆 墨の濃淡、強弱が「墨痕」 線の肥痩(太い線や細い線)

天筆(AD650年)―起筆、送筆、終筆、転折(横、縦)、撥ね、はらい

毛筆と筆<筆法>「間架結構法」、布置章法、書体や書風

花押などハンコと肉筆のサインの組み合わせ、「お墨付き」

手で書いたほうが真心や肉声が伝わる、「揮毫(きごう)」

書は「敬意」、江戸期の朱子学「居(きょ)敬(けい)」の名残→聖人に至るための実践方法論

書の担い手は政治家、大正時代の総理の清浦奎吾は書を「人品の記念物」

「席書」即興的に書画をかくこと

「題跋」先人の書に後人がコメント

書境―「心が改まる」肉体性や心の動き、神秘性や人間性

中国では「書法」、韓国では「書芸」

盛唐時代『文字論』張懐瓘(ちょうがいかん) 『翰墨(かんぼく)の道』 

「書道もまた大玄妙なり」王翰(おうかん)

「楷書は立つがごとく、行書は行くがごとく、草書は走るがごとく」

狂草700年~

日本語、文字で話し文字で聞く 演歌、能、歌舞伎、句会(短冊)

アルファベット、声を書き声を読む 声帯と空気の摩擦、触覚、朗唱、オペラ、朗読会

中国…毛筆、垂直に立てる、刻具(搔く、描く、欠く)

永字八法 漢字の「永」書に必要な8つの技法、(1)点、(2)横画、(3)縦画、(4)撥ね、(5)右上がりの横画、(6)左払い、(7)短い左払い、(8)右払いすべてが含まれる。

日本…左前へ傾け、はく、はらう(散らし書き、分かち書き、返し書き)、崩れと崩し(加減、諧調、歪曲)、白紙、余白、さらさら

<用具>文房四宝―硯・筆・紙・墨、水、毛氈

(現代)手紙、はがき、封筒、便せん、贈答用、熨斗紙、表札、巻紙、短冊、表書き、一筆箋、署名、揮毫の文化 東洋的教養や文化 

隷書…日本銀行券ほか、篆書体…総蔵之印と発券局長のみ

[楷書]九成宮醴泉銘、孔子廟堂碑/[行書]集王聖教序、蘭亭序/[草書]書譜/[隷書]乙瑛碑、曹全碑/[篆書(てんしょ)]泰山刻石、石鼓文/[かな]高野切第一種、高野切第三種

<臨書>古典に習って書く、形臨、意臨、背臨、暗書、全臨、節臨、

自運(じうん)―その人らしい書風

創作―近代19C中村不折、比田井天来

[形臨]字形を真似て手本にできるだけ忠実に字形や用筆法を模倣する。技術面の習得。

[意臨]筆意を汲みとる。作品が生まれた時代背景や作者の生き方、精神性まで模倣。

[背臨]手本を記憶した後、見ないでその書風を自分のものとする。他の作品にも応用。

<筆跡>古代ローマアウグストゥス 公文書偽造 

1662年「筆跡には個人差が存在する」論文 カミロ・バルディというイタリア人医師 

19世紀 各国の警察 

日本 安土桃山時代 古筆了佐 古筆の鑑定人、一般人の筆跡鑑定は、大正後期 

文字の形態(縦長や横長、角型や丸型) 書かれ方(はね・止めの仕方、くずし方、筆圧)、筆癖(癖字や筆順の違い、点画の位置)

偽筆(ぎひつ)、模書、筆意(文字を執筆する際の「意思」)

[中国]簡体字 繁体字

 

<中国>

書論 最古の書論、後漢時代、趙壱の『非草書』

『集古録跋尾(しゅうころくばつび)』『説文解字』、『自論書』(王義之)、

『書譜』(孫過庭)→「人書倶(とも)に老ゆ」

草書の古典『十七帖』(王義之)

宋代、『集古録跋尾』(欧陽脩(おうようしゅう))、書の人間性を指摘した最初の書論

『東坡題跋』(蘇軾(そしょく))、『山谷題跋』(黄庭堅)

宋代、『読書断』→「神・妙・能」

明末期、芸苑の領袖、董其昌(とうきしょう)『画禅室随筆』→巻二に「字は須く(すべからく)熟の後の生なるべし」

清代、考古学者の阮元(げんげん)『北碑南帖論』

『祭姪文稿(さいてつぶんこう)』『争座位文稿(そうざいぶんこう)』(顔真卿)

『九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)』(欧陽詢(おうようじゅん))

[書聖]王羲之307~365(「蘭亭序」)美を尽くし善を尽くす(太宗)/[草聖]張芝(草書)・張旭(狂草)/[二王]王羲之(大王)・王献之(小王)/[二大宗師]王羲之(4C)・顔真卿(8C)/[古今の三筆]王羲之鍾繇(しょうよう)・張芝(2C)/[初唐の三大家]欧陽詢・虞世南・褚遂良/[唐の四大家]欧陽詢・虞世南・褚遂良/顔真卿…楷書の完成/[宋の四大家]蘇軾・米芾(べいふつ)・黄庭堅・蔡襄/[楷書の四大家]欧陽詢(欧体)・顔真卿(顔体)・柳公権(柳体)・趙孟頫(趙体)/[四賢]張芝・鍾繇王羲之・王献之

「千字分」四言の韻文の250句(6C梁(りょう)の周興嗣)→「真草千字分」(真書と草書)智永

 

<日本>

日本の書論では書式や故実、家の格式や書風を伝える。<書流>

唐様では空海の『遍照発揮性霊集』(空海の弟子・真済)、

和様では平安時代後期、藤原伊行の『夜鶴庭訓抄』、

藤原教長の口伝を藤原伊経が記録した書道秘伝書『才葉抄』

平安時代扶桑略記』に「書道」

日下部鳴鶴(めいかく)「近代日本書道の父」 鳴鶴の「三体(真行草)千文字」

御家流を創設した尊円法親王『入木抄(にゅうぼくしょう)』

近世の終わり、書論『米庵墨談(べいあんぼくだん)』、

『悟竹堂書話(ごちくどうしょわ)』(中林悟竹)、『天来翁書話(てんらいおうしょわ)』

[三筆]空海嵯峨天皇橘逸勢/[三跡](和様)小野道風(野跡)・藤原佐理(すけまさ)(佐跡)・藤原行成(権跡)/[書の三聖]空海菅原道真小野道風/[世尊寺流の三筆]藤原行成世尊寺行能・世尊寺行尹/[寛永の三筆](本阿弥光悦近衛信尹松花堂昭乗/[黄檗の三筆](唐様の墨跡)隠元隆琦・木庵性瑫・即非如一/[幕末の三筆](唐様)巻菱湖市河米庵貫名菘翁/[明治の三筆]中林梧竹日下部鳴鶴巌谷一六/[昭和の三筆]日比野五鳳・手島右卿・西川寧/[近代書道の父]日下部鳴鶴/[現代書道の父]比田井天来

高等学校の芸術科目 音楽、美術、書道の三教科、小学校3学年 - 6学年と中学校全学年の授業での毛筆、「読み書きソロバン」寺子屋

日本美術展覧会日展)、文部科学省後援の毛筆書写検定5級から1級まで、デザイン書道

 

<書道を扱った作品>「書道ガールズ!!私たちの甲子園」「とめはねっ!鈴里高校書道部」

 

<イベント>「書道パフォーマンス甲子園」

大会名:『全国高校書道パフォーマンス選手権大会』

開催日時:四国中央紙まつり(7月下旬~8月上旬開催)期間中

主催:書道パフォーマンス甲子園実行委員会

共催:四国中央紙まつり実行委員会、四国中央ふれあい大学

後援:愛媛県愛媛県教育委員会四国中央市四国中央市教育委員会、四国中央商工会議所、愛媛県紙パルプ工業会

特別協賛:愛媛県書道用紙連合会、愛媛県書道用紙協議会

協賛:丸住製紙、呉竹、墨運堂、古梅園、ターナー色彩、ニッカー絵具、ユニチャーム、JAうま、大塚製薬、キリンビバレッジ、四国コカコーラボトリング、大成薬品工業、愛媛小林製薬、富士印刷ほか

目的:書を通じて芸術文化の地域間交流を促進することと、紙産業の振興・地域の活性化を図ること。

2011年1月29日付で、四国中央市が「書道パフォーマンス甲子園」の名称の商標権取得。

 

愛媛県立三島高等学校書道部が市内のショッピングモールなどで音楽にあわせて大きな紙に歌詞を揮毫する「書のデモンストレーション」として披露。南海放送のディレクター「日本一紙の街・四国中央市を元気にできるイベントになる」。

 

(参考)Wikipedia「なぜ書には、人の内面が表れるのか」松宮貴之(祥伝社新書)、「書とはどういう芸術か」石川九場(中公新書)、「書道入門」植島和堂(家の光協会