日本中のあちこちで展開されているショッピングモールと、帝国主義の植民地政策のプランテーションは似ていると思うのです。アメリカのグローバルスタンダードか何か知らないですが、日本の地方も同じフランチャイズばかりのつまらない景色になってきました。自由化という目先の利益で、農業、金融、医療、何でもオープンに標準化されました。
この歳になると、アメリカの提案したものは、けっこう世界に害をもたらし人をも殺す、とわかってきました。団塊の世代は、アメリカのもっともよいところをバブリーに受けたので、まだ夢の中かもしれませんが。
日本の政策も似ています。アメリカの指導下に、この70年というもの、どんどん施行能力がなくなっていたからです。立派な店も2代目がだめにして3代目で滅びる、というのがよくわかります。
そして、音楽もつまらなくなった。日本にいろいろあったものが、団塊の世代でエレキギターとピアノが弾けるようになったかわりに、都々逸、小唄、浪曲、民謡などが街から消えてしまったのです。
アートは、コンセプト、テクニックに走り出しました。昭和の余韻をもち続けて、あと4、5年で一つの節目かと思うのです。その次に、それに続くだけのものが現れるか、こちらが新たに何かに価値をもてるかということでしょう。