「朗読ダイエット」ドリアン助川(左右社)1,400円 http://goo.gl/iR2wD
本書は、「表現を通じて、日々豊かに生きていく」ための指南書といえます。朗読とはいえ、「全身で語ること」、それが「小宇宙」として、「内なる本質」を実行する人に与えてくれます。
つまり、「全身で語ると生きていけるよ」ということが実践、実例を含めて、しかも本人プラス2名での実証、証拠写真つきででています。…そういえば確かにやせましたね。
「全身で声を出して生きてこれた」私と「全身で声を出すと、生きていける」研究所のことも、とりあげていただいています。
「内なる本質」について、私は何百冊分も述べ、何百人にもトレーニングをしてきて、私がいようといまいと、得ていく人は得ているに得ていない人は得ていないので、今も声を出し、話し、書き、人に接しつづけています。
それを著者は、わずか半年で、2人の弟子で実証をしたのですから、しゃっぽを脱がざるをえません。
そもそも、この研究所は、私がつくった当初から、このように私よりもすぐれた人ばかりくるので(今のトレーナーも今の生徒さんも、ですが…)、いつも、いろんなところで「何かが立ち上がった一瞬」(本書の表記より拝借)のきな臭い匂いがするのです。それが好きで、私も続けている、いや、続いているのです。
私はあるときから、私自身のことばだけでなく、トレーナーのことばを、さらに学んでいる皆さんのことばをたくさんとりあげるようにしてきました。私自身、書くときは、学んでいる途上の気持ちであり、また他の人のプロセスに学ぶことが大きいと思うからです。
それとともに氏は、そこそこに出さなくなる人も少なくない、レッスンレポートを1枚も欠かしたことがありません。
いろんなトレーナーのレッスンや本などがヒントを得て自分自身のメニュをくみたてていくこと、その実践そのものが結実しています。
是非、ヴォイストレーニングの本としても、声優役者さんなどに限らずここにいて、表現をしていこうとする人には、教本として、使っていただきたいと思います。
福島英