「イキガミ」は、まんがでパスしていたけど、なぜか見に行って、最近の私のブログで述べていたようなことを一つにまとめてくれた。それは、「人は他人のために生きるもの」だってことで、「そのために自分のものを活かさなくてはならない」ということ。しかし、久々に全編、涙を抑えることができなかった経験だった。
考えようによっては、こういう社会は未来のことでも、まんがや映画での空想のことでなく、現実にもあったこと、あることだ。
この「逝き紙」は、戦時の招兵令の赤紙であり、特攻の指令であり、あるいは裁判員制度も頭をよぎる。徴兵制や兵士の派遣をする国も、戦死を認めたり、表彰したりするのも、とても似ている。
むしろ、貧しい人が富む人のために戦争に駆り出されている現実の世界より、「イキガミ」の方がフェアかもしれない。
戦争以外でも、同じことだ。救急車も病院に入ることも、「シッコ」のように、アンフェアだし、仕事や生活にもおかしなシステムは、満ち溢れている。
死と向き合って生きることを忘れた今の日本で、ヒットするのは、まだ私たちの中で何かしら、大切なものを感じる力があるのではと思いたい。音楽をやる人にも、ぜひ見て欲しいと思う。