それとアーティストがあまりこういうことについて発言をしないのは、「考えが違う」などといってファンが離れるからだろう。教育者やあたしのように人前に立つ身では、言わないのが無難だからだ。「考えの違う人」とはやっていけない。あーばか。考えが違うから学ぶのである。考えを同じにしたいから、群れるのだ。といっても、それでもやはり考えは違うのに、そうして集まるから、それを周りに言えなくなるのである。まったく同じ構造でしょう。あなたの周りも。
私は考えを教えているのではない。考えることの必要性を伝えている。考える叩き台を提供している。それはトレーニングと同じで、アーティストによるトレーニング。少なくとも、こんな私よりは考えなさいと。考えの違う人とやらなくては、新しいものは生み出せないのに、「どーしてこんなに浅くなったのか、日本」と思う。いや、これが今の日本なのだ。