深夜に男は息子と花火を買ってきた。
さあ、やろうぜ。
女どもは止める。
-何時だと思っているの。
嫁も姑も娘もこぞって止めた。なのに、男は花火を買ってきた。
遠くから来ている義理の兄とその息子、娘をもてなすためだった。
-近所迷惑だから、やめた方がいいわよ。
女どもはさわぐ。その声が近所にひびく。
姑は-寒いのに。
嫁は-バカらしい。
娘は-眠いから。
と、ひっこんだ。
義理の兄は男に義理だてた。
その息子は喜んだ。
その娘は-あたしも眠いから。
と、ひっこんだ。
男とその息子と義理の兄とその息子。
男だけ4人でバケツを囲んでの線香花火。
やがて祭りは終わる。
水をかけ、男ってそんなものだと息子たちは学んだ。